最後の最後に

自分に残された選択肢は 二つ。

右か。左か。

どちらかを選び取れば、全ては終わる。
思わず生唾を飲み込んだ。緊張が走る。
自分の行く末を。自分で勝ち取らなくてはいけない。
片方は生を。片方は死を…意味するのだ。

この選択を誤れば…ここにいる仲間達にも…少なからずとも影響が及ぶ。
視線を感じる。心臓の鼓動の高鳴りが耳まで届く。血が巡りすぎて、めまいがしそうだ。
「……早くおとりよ」
メフィレスの低く冷ややかな声が届く。
そばにいる、シャドウやソニックも、自分の手元を睨むようにして見ている。

わかっている。わかっているんだ。コレが例え、どんな結果を招いたとしても、これは自分の責任だ。
最後まで……………………あきらめるものか。

「……………いくぜ…………!」

意を決して………………。右の選択肢を手に取る。
恐る恐る……………その選択の結果を見た。




「…………………………………………………J…………orker……………」
「はい。この勝負はボクの勝ちだ」



シルバーの手元にあった、最後の数字札を、メフィレスはシルバーからひったくる。
「あああああ!!!ま、まだ、アンタが選ぶ番だろう!!!」
シルバーはメフィレスが取り上げた札に、懸命に手を伸ばす。
「ボクが選択を誤るとでも?思っているのかい?」
そういうと、メフィレスは手に持っていたトランプを、捨て山の上に投げた。
ううう。と言葉に詰まる。 カードゲームにしても、リバースにしても、メフィレスには勝った例が無い。
まるでこっちの手の内が、全て見抜かれているかのようで。

ソニックが青くなって立ち上がる。(もともと青いとかつっこむな)
「うわああああああああっ!! やばい!!シルバーが食事当番か!!  胃薬と出前の用意しとけよシャドウ!!」
「言われなくても準備は万端だ」
すでにテーブルの上には、薬箱と携帯電話、出前のメニューが並んでいる。

「お………おまえらああ!! だ、大丈夫だ、この間だって、ちゃんと食べられただろう!?」
「「食べられるものを作っただけでも奇跡だろうが!!!」」
ソニックとシャドウのセリフが重なる。
こんな時だけ、妙にシンクロして見せる。いつも喧嘩ばかりしているくせに。
「ま、せいぜい苦しむんだね。ボクは食べなくてもいい体だからネエ」
「………No way!!! なんで勝った俺たちが罰ゲームみたいな事になるんだよ!!」
「GUNの医療スタッフにも、連絡を取れるようにしておこう」
「ちょ………おーまーえーらー!!!!」