空っぽの心に
響くのは。
いつもあの子の歌声。
決して上手ではないけれど。
ことりことりと。
空き箱の中になにかが落ちる。
「エメルさんも、歌ってみませんカ?」
「イイ」
「どうしてですカ?一緒に歌いましょう?」
「キイテイタイカラ」
「……私の歌ですカ?」
「ウン」
「あんまり上手じゃないデス」
「ウタッテ」
「…でも」
「ウタッテ。 クリームノ声ハ キレイダカラ スキ」
「……ありがとうございマス…では、エメルさんの好きな歌を…」
ことり ことりと
何も無い箱の内側に 溜まっていくなにかが
僕はとても好きなんだ。