見上げた星空
に、意識が吸い込まれそうだった。
こんなに綺麗なものが、この世の中にはあったのか。
星 というのよ とエミーに教わった。町の中では見えなかった。(イブリーストリガーの方に気が向いていたから、気が付かなかったと言った方が正確かもしれない。)
祭典の催される町の中では、きらきら光る明かりの方がまぶしくて、まさかこんなにも天に宝石があるなんて…。
「落ちて…きたりしないよな?」
とエミーに聞いたら、笑われた。
「落ちてくることもあるのよ」
「ええええ??!! それって、拾いに行ったりできるのか?!」
あんなに綺麗なものだ、近くで見たらさぞかし綺麗なんだろう。
ブレイズにも見せてやりたい。 ああ、彼女は物知りだから、星くらい見たことがあるかもしれないけど。
「うーん。できるけど 隕石って私興味ないのよねー」
「は?」
いんせきってなんだ?
「大概は、大気圏で燃えちゃうから地上に落ちてくることはまれだけど。それよりもあれだな。私は流れ星にお願いするほうが好きなんだよねー!」
流れ星…?
見上げる彼女の視線にあわせて、俺も空を見上げる。
未来の世界の空を覆う、あの厚い雲を取り除く事ができたなら、あの空にも同じ星が、輝くのだろうか。
「あ!」
声を上げるエミーの目の前を、綺麗な光の筋を描いて、星が流れる。
すかさず手を組んで祈りを唱えるエミーの肩を、シルバーが揺さぶった。
「なななななな!!なんだあれ!!なあ!!なんか落ちたぞ!!取りに行こうぜ!!」
「あー!!!!もう!!!お願い事言いそびれちゃったじゃないのよおおお!!」
こんどはシルバーがエミーに肩をつかまれて揺さぶられていた。